細菌性食中毒 感染型

  • サルモネラ

    主な原因食品

    鶏卵・食肉(特に鶏肉)

    食後6~48時間で、おう吐、腹痛、下痢、発熱などをおこします。
    症状は1~4日で回復。

    【予防のポイント】

    • 卵を割ったらすぐ使いましょう。
    • 生の卵・肉・魚介類にさわったら、よく手を洗いましょう。
    • 食肉や卵は十分加熱する調理器具を良く洗い、殺菌する。ペットに触れた後は手洗をする。
  • カンピロバクター

    主な原因食品

    食肉(特に鶏肉)・飲料水

    食後2~7日で、下痢、発熱、おう吐、腹痛、筋肉痛などをおこします。
    下痢には血が混じることがあります。

    【予防のポイント】

    • 殺菌されてない井戸水や湧き水などは飲まないようにしましょう。
    • ペットと遊んだ後は手を洗い、ペットが食品や食器にふれないようにしましょう。
  • 腸炎ビブリオ

    主な原因食品

    魚介類(特に生食)

    食後4~96時間で、激しい下痢、腹痛などをおこします。下痢に血が混じることがあります。
    夏に発生が多いです。

    【予防のポイント】

    • 魚介類は流水でしっかり洗いましょう。
    • 夏に魚介類を生で食べるときは特に注意し、食べる直前まで冷蔵庫で保存しましょう。
  • 腸管出血性大腸菌

    主な原因食品

    多種の食品・井戸水

    食後12~60時間で、激しい腹痛、下痢、下血などをおこします。

    【予防のポイント】

    • 生の肉にさわったら、よく手を洗いましょう。
    • 生の肉など加熱が必要な食品は、中心まで十分に加熱しましょう。
    • 生野菜はよく洗ってから食べましょう。
  • 黄色ブドウ球菌

    主な原因食品

    おにぎり・いなりずし・巻きずし・弁当・調理パン

    食後1~6時間で、吐き気、おう吐、腹痛などをおこします。
    下痢をおこすこともありますが、発熱はありません。

    【予防のポイント】

    • 手にケガをしているときは、調理しないようにしましょう。
    • 調理前は、よく手を洗いましょう。
    • 食品は冷蔵庫に入れて、菌が増えないようにしましょう。
  • ウェルシュ菌

    主な原因食品

    煮物・カレー・シチュー・スープ・麺つゆ

    食後8~20時間で、お腹が張り、腹痛、下痢などをおこします。
    おう吐や発熱はほとんどおこさず、通常は1日程度で回復します。

    【予防のポイント】

    • 作りおきの料理を食べる場合は、十分に加熱してから食べましょう。
    • 加熱調理したものは、できるだけ早く食べましょう。
    • 残った食品を保存するときは、浅い容器に小分けして、素早く確実に冷やしましょう。
  • セレウス菌

    主な原因食品

    チャーハン・ピラフ・焼きそば・スパゲッティ

    セレウス菌食中毒には、「おう吐型」と「下痢型」があります。
    「おう吐型」の場合、食後1~5時間で、吐き気、おう吐、腹痛をおこします。
    「下痢型」の場合、食後8~16時間で、腹痛、下痢をおこします。

    【予防のポイント】

    • 一度に大量の米飯やめん類を調理して作りおきしないようにしましょう。
    • 米飯やめん類などを保存するときは、小分けにして速やかに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
  • エルシニア・エンテロコリチカ

    主な原因食品

    肉(特に豚肉)

    食後2~5日で、発熱、腹痛、下痢などをおこします。

    【予防のポイント】

    • 豚肉を長期間保存しないようにしましょう。
    • 生の肉にさわったら、よく手を洗いましょう。
    • 肉の汁が、生で食べるものや調理済みの食品にかからないようにしましょう。
  • ボツリヌス菌

    主な原因食品

    いずし・瓶詰・缶詰

    食後8~36時間に、おう吐、下痢、うまく話せない、ものを飲み込みづらいなどの症状が出ます。
    呼吸ができなくなり死ぬこともあります。

    【予防のポイント】

    • 作りおきの料理を食べる場合は、十分に加熱してから食べましょう。
    • この菌は土の中にいるので、材料はしっかり洗いましょう。
    • 真空パックや缶詰が膨張していたり、異臭があるときは、食べないようにしましょう。
  • リステリア・モノサイトゲネス

    主な原因食品

    乳製品・食肉加工品

    はじめはインフルエンザのような症状が出ます。
    発症するまで数日間~数週間ですが、24時間以内に発症する人もいれば、
    90日以上経ってから発症する人もいます。

    【予防のポイント】

    • 冷蔵庫を過信せず、冷凍庫やチルド室を活用しましょう。
    • リステリアは加熱すると死滅します。加熱が必要な食品は、十分に加熱しましょう。

ウイルス性食中毒

  • ノロウイルス

    主な原因食品

    二枚貝(カキ等)

    食後1~2日で、おう吐、激しい下痢、腹痛などをおこします。

    【予防のポイント】

    • ウイルスを含んでいると疑われる食品の中心部が85~90℃で90秒間以上の加熱。
    • 生の二枚貝にさわったら、よく手を洗いましょう。
    • カキなどの二枚貝は、体調の悪いときは生で食べるのを控えましょう。
  • A型肝炎ウイルス

    主な原因食品

    魚介類

    感染してから平均1か月間経つと、発熱、だるさ、食欲不振、おう吐、
    黄だん(皮膚や粘膜が黄色くなる)などの症状が出ます。

    【予防のポイント】

    • 生の魚介類にさわったら、よく手を洗いましょう。
    • 生の魚介類など加熱が必要な食品は、中心まで十分に加熱しましょう。
    • 生の魚介類に使った調理器具は、使い終わったらすぐに洗いましょう。洗った後、熱湯をかけると消毒効果があります。
  • E型肝炎ウイルス

    主な原因食品

    ブタ・イノシシ・シカなどの肉や内臓

    感染しても、症状が出ることはほとんどありません。
    一部の方は、感染してから平均6週間経つと、だるさ、黄だん(皮膚や粘膜が黄色くなる)、
    発熱などの症状が出ます。

    【予防のポイント】

    • ブタ、イノシシ、シカなどの肉や内臓は、生食を避け、中心まで十分に加熱しましょう。
    • 生の肉や内臓にさわったら、よく手を洗いましょう。
    • 肉や内臓の汁が、生で食べるものや調理済みの食品にかからないようにしましょう。

寄生虫

  • アニサキス

    主な原因食品

    サケ・サバ・タラ・イカ等の海産魚介類の刺身等

    魚介類などを生で食べた後、2~8時間後に、激しい腹痛、
    吐き気をおこします。ときに吐血することもあります。
    魚介類などを生で食べた後、10時間後以降に、激しい腹痛、腹膜炎症状をおこします。

    【予防のポイント】

    • 十分な冷凍(-20℃、24時間以上)や加熱調理でアニサキス幼虫は死にます。
    • 新鮮な魚類の場合、多くは魚の内臓表面に寄生し、筋肉内に寄生している場合は少ないので、内臓を除去し、十分に洗浄することで感染の確率を下げることができます。 ただし、アニサキス幼虫は鮮度が落ちると、内臓から筋肉に移動することが知られています。
    • サケ科魚類の場合は筋肉内に寄生していることが多く、注意が必要です。
    • イカ類の場合は、アニサキス幼虫が目で見えることが多いので、アニサキス幼虫がついていることに気づいたら、生で食べることは避けてください。

(厚生労働省ホームページ参考)

家庭での食中毒予防

家庭でできる食中毒予防の6つのポイント